国際部レポート「世界の展示会市場の動向について ~売上から市場回復の見込みを見る~」
世界の展示会市場の動向について ~売上から市場回復の見込みを見る~
1/25/
2/25/2022 by 寺澤義親
1.世界の展示会市場の回復見込みは:2019年比で2022年は77%、2023年は96%に回復。
世界の有力調査・コンサル会社AMRinternationalのレポート(Nov2,2021リリース)から
注1:ここで世界市場は米国、中国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ブラジル、中東湾岸諸国(GCC),ロシア、香港、トルコ、メキシコ、インド、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、マカオ、フイリピンの20か国・地域で構成されている。
注2:これは2021年11月発表なのでオミクロンの影響が考慮されていないため実際の進展はこの見込を下回る可能性が高い。さらに2022年に入り中国の上海、深圳の2ケ月の都市封鎖にロシアのウクライナへの軍事侵攻が発生したがこれらの影響も考慮されていないのでさらにこの見込みは下振れになる。
2.世界の展示会企業売上の動向は: 国別動向を2019年比で2020年と2021年見込は?
1)UFIのGlobal Exhibition Barometer/July 2021。64か国・地域から474社回答。
→ 世界は2019年比で2020年は28%、2021年は48%と見込む
→ 日本は2020年は40%、2021年は68%と見込む(13社回答)
米国:2020年は39%、2021年は50%(18社) 中国:2020年は45%、2021年は63%(21社)
ドイツ:2020年は35%、2021年は45%(20社) 香港:2020年27%、2021年は37%(10社)
→国内市場が大きく海外出展者・来場者の比率が少ない日本、中国、米国の落ち込みは世界平均や海外比率が高いドイツに国内市場が小さく海外比率が高い香港と比較すると市場縮小が緩やかになっている。
図1:UFI Global Exhibition Barometer July 2021 :世界平均と日本(2020年/2021年)
2)UFI Global Exhibition Barometer 28th Edition(2月24日、2022年)発表される。
53か国・地域から401社回答。日本からも12社回答。
→世界平均は2019年比で2021年は当初見込み(48%)を下回る41%に、2022年は71%回復と見込む。
→日本は2019年比で2021年は55%、2022年は77%回復の見込み。
→その他の国・地域は以下の通り、詳細等はUFIデータを確認すること。数字は2019年比の回復見込み。
アジア大平洋の平均→ 2021年:41% 2022年:68%
中国(21社回答): 2021年:60% 2022年: 77%
香港(10社回答): 2021年:41% 2022年: 58%
シンガポール(11社): 2021年(32%) 2022年: 71%
韓国(10社回答): 2021年:54% 2022年: 75%
マレーシア(15社回答): 2021年:26% 2022年: 56%
タイ(11社回答): 2021年:41% 2022年: 76%
インド(16社回答): 2021年:36% 2022年:68%
豪州(12社回答): 2021年:31% 2022年: 58%
米国(12社回答):
2021年:47% 2022年:84%
フランス(12社回答): 2021年:62% 2022年:
79%
ドイツ(16社回答): 2021年: 41% 2022年: 72%
スペイン(16社回答): 2021年: 50% 2022年: 78%
英国(13社回答): 2021年:
39% 2022年:76%
イタリア(16社回答): 2021年:42% 2022年: 73%
UAE(12社回答): 2021年:53% 2022年:71%
図2:UFI Exhibition Barometer February 2022 世界平均と日本(2021年/2022年)
3.グローバル主催企業の業績動向(2019年/2020年比較):
2021年9月リリースのThe AMR Top 20リストからグローバル主催企業の収入を見る。この収入(売上)は全事業のうち展示会主催事業のみを対象としている。これからはグローバル主催企業のTop20は2020年において売上を深刻なまでに減らしているのを確認できる。
これは世界各地で1年以上もリアル展示会を開催できていない又は開催できても出展者、来場者が半減またはそれ以上に減少したことを反映している。
コメント
コメントを投稿