JEVA 国際部 展示会イベントグローバルレポート【-展示会イベントのグローバル企業動向- <熾烈なトップ争い : 2018年実績>】


-展示会イベントのグローバル企業動向-                                   
<熾烈なトップ争い : 2018年実績>              イベント総合研究所 主席研究員 寺澤 義親
                                    
展示会イベントのグローバル企業の売り上げ動向を見るには毎年発表されるドイツ展示会協会AUMA Reviewがベストだ。今年も図1のとおり2018年実績について調査結果が911日に発表された。これは公表された年間売上が1億ユーロ以上の主催企業、施設運営企業を対象としている。これによると年間売上1億ユーロ以上の企業は世界で34社が確認されたがそのうち9社がドイツ企業、8社が英国企業と欧州勢が圧倒している。欧州以外ではわずかに4社がランキング入りをしたがEmerald Expositions (米国)HKTDC (香港)、東京ビッグサイト (日本)、SNIEC (中国、上海)となっている。最近の傾向としてグローバル企業の成長戦略は買収・統合を通じて実績のある企業を取り込み売上と市場さらにはイベント数を増やすことを重視している。さらにこうした動きが顕著になる中で引き続き投資ファンドがMICE業界への参入を強めており業界のM&Aと変革に果たす投資ファンドの役割が大きくなっているのも注目される。

1.Reed Exhibitionsがトップを死守するもInforma Marketとは僅差
昨年6月に2017年ランキングで4位のInforma2位のUBMを買収・統合しビジネスイベントではこれまで世界1位のReed Exhibitionsにとって代わると目されていたが僅差でReed Exhibitionsがトップを死守している。
これはInformaUBM買収後の統合調整に時間を要するなど統合効果の実現には時間を必要としていることが影響した結果ではないか。
Informa2019年に入りビジネスイベント分野の統合を終了させており、Reed Exhibitionsも有力企業Mack Brooks Exhibitions ()やインドの展示会を買収するなど攻めているので両雄の凌ぎあいの結果として2019年実績がどうなるか大変興味深い。
(なお図1にはUBMの数字が掲載されているがこれは買収前の数字を参考までに紹介しているだけでランキング外の扱いとなる。)

2.ドイツではMesse Frankfurtが好調を維持して世界3位、ドイツではトップを堅持したがその他メッセは順位が大きく変動している。Munchen Messeが過去最高の業績となり初のドイツ2位に、Messe Berlin3位に躍進した。

3.その他欧州勢ではComexposium (仏)やClarion Event (英)が売上を大きく伸ばした。

1 展示会イベントのグローバル企業売上ランキング(2018年) 単位:100万ユーロ  出所:AUMA






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