【国際部レポート 米国のB2B展示会動向 2024年第1四半期は2019年比の92.3%に 日本イベント協会理事 寺澤義親】

 

515日にCEIR(The Center for Exhibition Industry Research)は米国B2B展示会の

2024年第1四半期の動向を発表。

 

1. 2024年第1四半期の総合指標(CEIR Total Index)2019年比で92.3 %に。

 

  B2B展示会は強い回復途上にあるが第1四半期は特に来場者数が大きく回復を見せ展示会パフォーマンス全体を示す総合指標(CEIR Total Index)2019年比でマイナス7.7%の92.3%と2023年第4四半期の92.0%から向上した。2022年第1四半期のマイナス32.0%2023年第1四半期のマイナス11.5%と比較して大きく回復しているのが確認できる。

 

 2024年第1四半期のキャンセル率は2023年第1四半期と同じ0.3%となりこれは2023年第4四半期の1.4%から大きく改善している。また2024年第1四半期に開催された展示会のうち41.8%の総合指標はパンデミック前の実績を上回る結果となったが、2023年第1四半期ではそれが34.5%だったことからも業績が強く回復して新たな発展軌道に乗っていることも確認できる。


2. 2024年第1四半期の総合指標内訳を2019年同期と比較すると展示面積は2019 年実績を超えてプラスに転じている。来場者は2019年水準をやや下回るまでの回復を見せる一方、出展企業と収入は穏やかに戻っているが他指標と比較して回復が遅れていることを確認できる。




3. B2B展示会は2023年米国経済への貢献を継続

 

  CEIR4月末に公表した2024 CEIR Index ReportB2B展示会は回復が続き2019年比で2023年総合指標は89.0%になったと発表。57日にはB2B展示会の2023年米国経済(GDP)への経済効果も発表した。これによると米国GDPへの貢献は900億米ドルで2022年の780億米ドルから増加。売上は1610 億米ドルとなり2022年の1380億米ドルから増加して雇用者(フルタイム、パートタイム就業者と自営業者含む)も2022年の220万人か250万人に増加している。

 この結果についてCEIRのエコノミストとして調査分析したMr.Adam Sacks, President of Tourism Economics,Oxford Economicsは「マクロ経済の逆風で今後の成長は弱くなるが展示会業界はリアル開催への堅調な需要に支えられ完全回復に進んでいく」とコメント。

 CEIRMs.Cathy Breden,CEOも「高い旅行費、ビザ取得の待機時間さらにその他経費高騰に対する連邦政府の施策などで完全回復への障害が緩和されることを期待している」とコメント。

 さらに業界関係者にはワシントンDC530日開催の展示会産業キャンペーン活動Exhibitions and Conferences AllianceECA)Legislative Action Day65日のGlobal Exhibitons Dayへの参加を呼びかけている。




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